心に残る唄 ラエ、世界に向けてアルゼンチン

今日は “神のハンド”、マラドーナ賛歌お伝えします

1月25日はサッカー界の大スター、ディエゴ・アルマンド・マラドーナさん逝去より1ヶ月を迎え、彼を称える曲が巷に溢れます。

“神のハンド”はアレハンドロ・ロメーロ作詞・作曲で、27歳で自動車事故で亡くなった、コルドバ州出身のコルドバ州独特の音楽ジャンル、クアルテトの歌手、ロドリーゴが歌い、大ヒットした曲です。クアルテトは移民として同州にたどり着いたイタリア人とスペイン人が作りあげた独特のリズムを持つ音楽です。

社会の底で生きる人々の喜び、悲しみ、苦しみを表現し、社会にある格差が垣間見え、ある意味音楽としては下のランク付でした。

マラドーナさん自身の言葉で言うと、彼のことを一番うまく表現している曲で、数多くあるマラドーナ賛歌の中でも一番のお気に入りとのことでした。生まれ育った貧困状況、コカイン依存症の苦しみ、そしてピッチ上で見せた魔法のようなサッカーの技のあれこれなど、誤魔化すことなくダイレクトな言葉で伝えている歌詞です。

“神のハンド”とは、アルゼンチンが優勝した、1986年のメキシコで行われたサッカーワールドカップ、対イギリス戦でマラドーナさんがマークしたアルゼンチンの2点目のゴールのことです。マルビーナス諸島紛争でアルゼンチンと英国間にはライバル意識が強く、試合に勝利し、旧約聖書にある巨人兵士ゴリアテを倒したダビデのごとく、英国を倒したアルゼンチンの顔としてマラドーナさんが有名になりました。

長い間続いた軍事政権、マルビーナス諸島戦争、そして長引く経済危機と暗いニュースがアルゼンチンを覆っていた時、彗星のごとくマラドーナさんの ”神のハンド” ゴールが社会を歓喜で照らしました。

この曲を初めてマラドーナさんが聞いたのは、2000年、コカイン依存症リハビリのため滞在していた療養先のキューバでした。テレビ番組ベルスス(Versus)収録のため、歌手のロドリーゴさんが直接キューバまで出向き、歌い上げました。
マラドーナさんは、大感激し、ロドリーゴさんに近づき この歌、最高だ!と述べました。では、俗世の最高の賛歌と呼ばれる “神のハンド”、最初から最後まで、どうぞお聞きください。

ラエ、世界に向けてアルゼンチン
心に残る唄
今日は “神のハンド” お伝えしました。

 

 

 

日本語訳・ナレーション: 植田敬子
制作:シルバーナ・アベジャネーダ
ウェブサイト:フリアン・コルテス
編集:ファビアン・パニッシ